Unity - Navigation：AIを用いて経路探索させる - ひとりでのアプリ開発

初めに

　Unity には、Navigation と呼ばれる機能があります。この機能を用いることで床や障害物など地形の情報を収集し、3Dオブジェクトに目的地までの経路を移動させることができます。本記事では、Navigation を使った簡単な経路探索の方法をまとめます。

Index

初めに
Index
Navigation System
キャラクターを目的地まで動かす
参考
最後に

　Unity には Navigation System という機能があります。この機能を使うことで、キャラクターに歩行可能な場所や障害物など地形を理解させ、目的地まで動かすことができます。

NavMesh システムについて

　Navigation System を使うときに、以下の要素で構成される NavMesh システムで歩行可能なエリアのデータを取得します。

機能	説明
NavMesh	歩行可能な面のデータ
NavMesh Agent	動かすキャラクターにつけるコンポーネント
Off-Mesh Link	飛び越えられる溝など NavMesh で表現できない移動可能な場所を表すためのコンポーネント
NavMesh Obstacle	障害物につけるコンポーネント動かすことができる

経路探索について

　Unity では、A*（A-star）と呼ばれるアルゴリズムが採用されています。A* は与えられたスタートから、どこかに存在するゴールまでの最適なルートを探索するためのアルゴリズムです。

　A* の仕組みについて、次のサイトの説明をみるとイメージが持てると思います。
tajimarobotics.com

キャラクターを目的地まで動かす

　本記事では、次の２つのことをします。

NavMesh システムを使い、地形の情報を取得する
キャラクター（NavMesh Agentをつけたオブジェクト）を目的地まで最短経路で動かす

NavMesh システムを使い、地形の情報を取得する

　次の手順で NavNesh システムを使います。

床、障害物、キャラクター、ゴールとなるオブジェクトを生成
今回は、上の画像のように生成します。床は plane（平面）、障害物は Cube（立方体、伸ばして使っています）、キャラクターは Cupsule（カプセル）、ゴールは Sphere（球）を使っています。
※Hierarchy で右クリック > 3DObject から生成できます。また、デフォルトでは白色ですが、Material を使って色をつけています。
移動経路に使うオブジェクトを選択し、Inspector の Static から　Navigation Static を選択

Window > AI > Navigation をクリックし、Navigation ウィンドウを表示させる
Navigation ウィンドウの Bake タブをクリックし、Bake ボタンをクリックする

（注意）
オブジェクトの位置やサイズなどを変更した際、再度「Bake」を実行して経路情報を更新する必要があります。

キャラクター（NavMesh Agentをつけたオブジェクト）を目的地まで最短経路で動かす

　やることは次の３つです。

キャラクター（動かしたいオブジェクト）にNavMesh Agent コンポーネントをつける

　キャラクターのオブジェクトを選択し、Inspector の Addcomponent から追加できます
目的地まで移動させるためのスクリプトを作成

using UnityEngine;
using UnityEngine.AI;  //追加

[RequireComponent(typeof(NavMeshAgent))]
public class CharacterNavigation : MonoBehaviour
{
	[SerializeField]
	private Transform m_Target;

	private NavMeshAgent m_Agent;

	void Start()
	{
		m_Agent = GetComponent<NavMeshAgent>();  //コンポーネントを取得
	}

	void Update()
	{
                //目的地をセットする
		m_Agent.SetDestination(m_Target.position);
	}
}